一般社団法人Le Muse-Blog

音楽・芸術を中心にイタリアからの"いろいろ"通信

Benvenuti

音・絵・街・人・物との出会い

エリザベス先生声楽マスタークラス南イタリア編②

朝の9時から夜の9時まで、約1時間のお昼休みを挟んで長時間にわたるレッスン。
エリザベス先生のエネルギーはどこからくるのでしょうか?
先生曰く『生徒が真剣にレッスンを受けてくれ、少しでも理解して変わってくれることで逆にみんなからエネルギーをもらっている』のだそう。

 レッスンしながら充電する、だから最後の最後まであのエネルギーなのか。。。
彼女のレッスンは本当に曖昧な説明が全くない。
体の筋肉の使い方、息の使い方、高音の時に体の使い方、ジラーレとはどういう事、母音の位置、フレーズのアクセントと言葉のアクセントの違い、息の吸い方、舌の使い方、中音域の体の使い方、チェンジで気を付けること、レガートの体の使い方、アッポッジャーレとソステンニョの違い、口周りの筋肉の使い方、どこを、どのように、どれだけと言葉できちんと説明してくださる!
だからこそ、確実に受講生に変化は見えるのです。エリザベス先生のレッスンは受ければ受けるほど、色々な情報を得ることができ、曖昧な説明がないからこそ、1人でも確かな勉強ができるのです。

イタリア人、ロシア人の受講生の声を聞くのも、日本から来られた受講生にはかなり勉強になったはず

先生のお昼休憩中にも質問! 夜、夕飯をご一緒した時にも質問

9月7日の午後は音声学、発声学の権威コッス先生のオペラ歌手のための声のセミナーにも参加。

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オペラ歌手にとって声とは、呼吸とはを解剖学的な点からとても分かりやすく説明してくださったコッス先生。
呼吸時に体の中で起こる現象、生理の時に声帯に起こる現象、なぜ本番前に喉が異常に渇くのか、またその対処法、本番近くなったら避けるべき食べもの、本番2時間前に食べるものなど、大事な声帯に負担をかけない方法など本当にいろいろを教えてくださいました。
かなり名の通ったオペラ歌手のかたから、ロック歌手、役者とありとあらゆる方がコッス先生のもとへ来られているようです。
そのコッス先生の一言
『みんなとは私の診察室で出会いたくありません。だからこそ、今日お伝えしたことをもとに、良い先生と勉強をし続けて下さい。オペラ歌手はアスリートと同じです。そして常に質問が出て来なくてはいけません。自分の体ですから、たとえプロダクションがお金を出しても自分の声に合わない役はやらない、先生にこのように歌いなさいといわれても、なにか違うときはこれでいいのだろうか?と必ず自分に問いかけること』と、良い声を持っていても、正しいテクニックを勉強しなかったために、自分の声に合わない役をしたために、短いキャリアしか築くことが出来なかったオペラ歌手を数多く見てきたコッス先生の忠告は心に響きます。
コッス先生のセミナーを聞いて思ったことというか、さらに確実になったのが、エリザベス先生のレッスンは解剖学的にも、音声学的にも、発声学的にも全く理にかなったテクニックである!!ということ。
エリザベス先生に『レッスンでいつも言ってることと同じですね』というと
『私も音声学、発声学をかなり勉強したもの』と。
流石でございます。